眼瞼形成外来について
眼球周囲と瞼の病気を扱います
老人性と先天性があります。
眼球は非常に高度な神経機能を持つ臓器です。眼球の周囲には筋肉、脂肪、骨があり、眼球を保護しています。周囲の組織が正常であって初めて眼球はその機能を発揮することができます。
眼瞼は眼球の保護に非常に重要な役割を果たしています。角膜など眼の表面に病気のある方には眼瞼の形態異常を治療することで症状が改善することがあります。当院では眼瞼の治療の際しては、整容だけではなく機能改善することに重点を置いています。
老人性眼瞼内反症
年齢と共に出てくる逆さまつ毛です。下眼瞼を押すとくるんど正常の位置に戻りますが、瞬きするとすぐ戻ります。
下眼瞼を支えるスジ(牽引筋腱膜)がゆるんでいる、それを補強する手術が必要です。眼瞼全体のまつ毛が眼に入っていますので、頻繁に眼科に通ってまつ毛を抜いてもらうのも一つの方法です。通院が大変になってから手術を考えることもできます。
下眼瞼内反症のメカニズム
老人性眼瞼内反症の手術は牽引筋腱膜の復位と補強する手術です。手術費は保険適応になります。
老人性眼瞼内反症の術例
術前
術後
手術時間 | 30分、日帰り手術、局所麻酔 |
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術後生活 | 翌日多少腫れますが、術後48時間内、氷で冷やして、2、3日で腫れがひきます。 |
後遺症 | 再発の可能性があります。 |
抜糸 | 5から7日後に抜糸を行います。抜糸の翌日から、顔を洗っても大丈夫です。 |
先天性眼瞼内反症
生まれつきの内反症です。ふくよかな顔立ちの小児に見られます。下瞼が多いですが、上瞼にもなります。年齢とともに顔が大人になっていくと治るケースが多くありますが、成長前に角膜に傷がついてしまって症状が強い場合には手術をします。軽症の場合は放置したままで成人になる方は多いが、逆さまつ毛のせいで角膜に傷つきやすいので、ゴロゴロしたり、眩しがったりなど角膜刺激症状を感じやすいです。
手術は糸を埋め込む手術なので、傷は注射針程度になります。抜糸の必要がありません。
先天性眼瞼内反症の術例
術前
術後
手術時間 | 片目15分 小児の場合は全身麻酔、3日~5日の入院となります(入院施設をご紹介します) 大人の場合は局所麻酔、日帰り手術 |
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術後生活 | 当日は眼が開けられます。腫れないように術後48時間以内、氷で冷やすことをお勧めします。 |
後遺症 | 再発の可能性があります。 |
抜糸 | 抜糸の必要がありません。 |
手術前に眼に接してしまうまつ毛が外側を向くようになりました。目頭側にシワができてしまいます。 上瞼の場合には二重になるので、大人の場合には美容の側面も当然含まれます。術前に十分な相談時間をもうけます。手術中患者自身に二重の具合を鏡で確認していただく。